
1.シロクマが教えてくれること
『シロクマのことだけは考えるな!』というタイトルの本があります。
本屋で見かけたときに、「なんだ、これは?」と思って、つい買ってしまった心理系の本なのですが、面白いタイトルですよね。
(1)「シロクマのことを絶対に覚えておきなさい」というグループ
(2)「シロクマを覚えていてもいいし、覚えなくてもいいよ」というグループ
(3)「シロクマのことだけは考えるな」というグループ
…そして半年後。シロクマのムービーを一番覚えていたのは(3)のグループだったというのがシロクマ実験です。へえ、そうなんだ!
これ、失恋した時も同じことが起こるんです。
元彼のことを、忘れようとすればするほど思い出して悲しくなってしまう。嫌いになろうと思えば思うほど、思い出してイライラしてしまう。
打ち消そうとすればするほど、あなたの心には元彼のことが深く刻み込まれていくので、じつは逆効果なんです。これはあなたが悪いわけではなく、私達の心はそうできているのです。
じゃぁ、どうすればいいっていうの?
忘れたいことを忘れる方法は、忘れられない自分を受け入れるところにあります。これを“受容”といったりしますが、シロクマ実験の(2)に似ていますね。
「そうだよね、彼のこと思い出しちゃうよね」「思い出しちゃう日があってもいいよ」「あれだけ好きだったんだもんね、仕方ないよね」「考えないって無理だよね。考えちゃうもんね」
つまりは、「早く忘れなきゃいけない!」「もう思い出しちゃいけない!」「絶対に考えないようにしよう!」と思わないことなんです。
今はまだ、好きと嫌いの両方の気持ちがあるんだから、それを受け入れていくという感じ。どっちかにしなさいというのではなく、どっちでもいいよという感じでしょうか。
2.あなたが本当に忘れたいのは

「元彼のことを早く忘れて次に進みたいのに…」という気持ちが、あなたのことを焦らせるのです。そう思うのは毎日がつらくて仕方がないからですよね。
つらいからこそ、頑張って彼のことを嫌いになる努力をして、一日でも早く忘れようとする。でもね、それぐらい嫌うということは、それぐらい“まだ好き”な気持ちがあるということ。
「それって、彼を好きになった自分を嫌おうとしているのと同じだよね?」とカウンセラー的には思ってしまうのです。
「こんな自分だから彼に嫌われちゃったんだ」
「あの時もっとこうしておけばよかったのかもしれない」
「やっぱり私は嫌われるんだ」
彼を早く忘れたいのは、彼に嫌われた自分を一日も早く忘れたいからなんじゃないかな?
言い換えると、自分を全否定しているようなものですよね。こういうのを傷口に塩を塗るって言うんです。
だからね。こんなときは、失恋して傷ついている自分をこれ以上嫌わないこと。これ以上傷口を広げないこと。これ以上自分をいじめないこと。これ以上自分の悪口を言わないこと。これ以上自分が悪いと思わないことが必要なんです。
3.失恋の後遺症は自己嫌悪

ここは痛んだ心とじっくりと向きあう必要があります。ここを逃げちゃいけないと思うんです。傷ついた自分を嫌って終わりにしちゃいけないと思うんです。
「私は平気。大丈夫」なんていうフリをしないで、ちゃんと誰かに話を聞いてもらうことはとても大事。失恋がきっかけではじめてカウンセリングを受けたと言ってくださる方も本当に多いですし。
あれだけ好きになった人、あんなに楽しい時間を過ごした人なのに、嫌いになって終わるというのもせつないものですよね。いい思い出までを嫌おうとしたり、忘れようとしなくていいのだと思います。
そして、自分のことだと思うから自分にやさしくしてあげることができないのです。そんなときは、落ち込んでいる親友に接する気持ちで、自分にも接してあげることも大事です。
徹底的に自分を癒す時間をもつといいですよね。友達に話を聞いてもらう、泣きたいときはちゃんと泣く、ノートに気持ちを書きなぐってみる、できることはなんでもするような気持ちで。
そして…
失恋したときには、彼に嫌われた自分のことをすごく嫌いになってしまうんです。彼に嫌われた自分のことが好きになれなくて、“失恋自己嫌悪”のような後遺症が残るのです。
だからこそ、しっかりと心の傷を癒したあとに、「もっと自分を好きになろう」「もっと自分に自信をもとう」という取り組みをしていきたいところですね。
彼のことを嫌いになろうとするよりも、「もっと自分を好きになろう」「好きな自分になろう」という目標をもつほうが、効果的に立ち直れるということですね。
私は「失恋は人生の一大事だ」と思っているのです。心の複雑骨折といってもいいかもしれない。それぐらい衝撃的な出来事なのです。
でも、ここで自分の生き方を見直していく人もとても多いので、ピンチがチャンスにもなりうると思っています。ぜひカウンセリングもご利用になってみてください。
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