人ってけっこう自分のことを騙しながら生きているようなところがあります。本当は嫌なんだけど、顔では笑っているとか。本当は断りたいのに、それいいねと言ってしまうとか。
みなさんにもそういうこと、ありませんか?そうやって小さく自分を騙すことは本当にたくさんあって、自分を騙し続けているとだんだんと自己喪失しやすくなります。自己喪失というのは、自分で自分のことがわからなくなることをいいます。
たとえば、心理学を学ぶ前の私は、自分を騙しながら相手のことも騙していました。それどころか、どこまで相手のことを騙せるのか試すようなことをしていました。
「本当は我慢しているんだけどな。いつになったら気がついてくれるんだろう?」
「本当は嫌なんだけどなー。なんでこの人はそれがわからないんだろう?」
そんなの相手にわかるはずがないですよね。だって、本心がバレないように、私が完璧な演技でカモフラージュしているわけですから。
みなさんにも似たようなところがありませんか?
「本当は嫌なんだけど、ここはみんなに合わせておかなきゃ!」
「本当はムカついたけれども、ここは腹におさめておかなきゃ!」とか。
カウンセリングでは、こんな物語をお話しすることがあります。みなさん、ちょっと聞いていただけますか?
むかしむかし、あるお家に双子の女の子が住んでいました。ひとりの名前はアタマちゃん、もうひとりはココロちゃんです。
アタマちゃんはしっかり者で「何が良いのか?何が正しいのか?」を考える子。まわりの人のことを考えてから発言や行動をするとても慎重な子なのです。
対してココロちゃんはとても自由で「これが好き、これが嫌い」とはっきり言う子でした。ニコニコしていたかと思うと、プンプンと起こり出すような、コロコロと機嫌が変わる子なのです。
そんなココロちゃんにアタマちゃんはふりまわされることもあったのですが、ふたりは仲良しでいつも一緒に遊んでいました。
ふたりが小さい頃は、ココロちゃんがアタマちゃんの手を引っ張って、お外に遊びに行くことが多かったのです。でも、ふたりが成長して大きくなると、アタマちゃんがココロちゃんのやりたいことを遮るようになりました。
「そんなことしちゃダメだよ!」
「みんなに嫌われちゃうよ!」
「ココロちゃんは自分勝手すぎるのよ!」
「もっとよく考えてから行動しないと!」
アタマちゃんだって、ココロちゃんを怒りたいわけではないのです。でも、正しいことをしなければ、アタマちゃんはアタマちゃんでいられなくなってしまうのです。
ココロちゃんは言います。
「昔は自由にさせてくれたのに、今はなんでダメなの?」
アタマちゃんはいいます。
「昔は昔、今は今。ダメって言ったらダメなのよ!」
ココロちゃんは「もういい!アタマちゃんなんて大嫌いだ!」と言って、部屋を出て行ってしまいました。アタマちゃんも「ココロちゃんのことを思って言っているのに、なぜわかってくれないの?」と部屋に閉じこもってしまいました。
それから、ふたりは会話をすることがめっきり少なくなりました。それでも、ふたりはこのお家にこれからも住み続けなければいけません。
すっかり元気がなくなったココロちゃんは、すっかり笑わなくなったアタマちゃんに、ずっと疑問に思っていたことを聞いてみました。
「ねぇ、アタマちゃんの言う正しいことって幸せなことなの?」
アタマちゃんは何が正しい答えなのかわからなくなり、混乱してうつむいてしまいました。
ココロちゃんは言いました。
「昔は楽しかったな。ココロちゃんとも仲良しだったし。」
さて、あなたのなかにも、ココロちゃんとアタマちゃんがいるはずです。
いま、ふたりは仲良しでしょうか?ケンカばかりしているでしょうか?それとも会話もしていないとか?
おしまい。

とまぁ、このようなお話なのです。では、どうしたらいいのかを最後にお話しておきたいと思います。
言葉と行動、ココロとアタマは一致するように心がけたほうが、人は幸せを感じやすいのです。一致していない時にはなんだかスッキリとしないのです。モヤモヤしてしまうのです。
でも、成長するに従って、次第に心が複雑になって、一致しないことも増えてきます。悲しいのに怒ったり、怒っているのに笑っていたり、笑っているのに悲しんでいたり。
もし心と頭の不一致があなたを苦しめるようなことがあれば、両方の言い分を聞いてみましょう。頭と心の矛盾した気持ちをそのまま両方表現するとわかりやすくなります。
「頭では怒ってはいけないと考えている。心では悲しいと感じている。」
「顔では笑って見せている。心の中では泣きたいと思っている。」
まずは自分に言ってあげてください。
「どちらも私の大切な気持ち」
そして自分に聞いてあげてください。
「どっちが本心?」
時々はこうして自分の心の言い分を聞いてあげてください。大人になるとアタマちゃんの声の方が大きくなるので、ココロちゃんの声はかきかされてしまうのです。
「ココロはここにいるよ」そんな声が遠くから聞こえてきたら、ココロちゃんがあなたに会いにきた合図です。ココロちゃんのこと、忘れないでくださいね。
<ワークショップを開催します!大歓迎でお待ちしております!>
<3月のカウンセリングのご予約受付中!>
<ワークショップを開催します!大歓迎でお待ちしております!>
<3月のカウンセリングのご予約受付中!>

