「いい子ちゃん症候群」なんて言葉を聞いたことがありますか?
子供の頃に親の期待に応えようとして「いい子ちゃん」でいることがクセになり、それが抜けないまま大人になってしまった状態のことをいうようです。
「いい子ちゃん」は、自分の感情を抑圧してでも、親の期待を満たそうと頑張り続けます。
そのため自分で好きに遊ぶこともせず、子供らしく過ごす時間を放棄して生きてきた人がとても多いようです。
子供の頃からどこか大人びた雰囲気があり、「いつもおりこうさんね」「手がかからなくてラクだわ」「あなたは頑張り屋さんね」なんていわれてきたタイプです。
すべての頑張りは親に喜んでもらうため。親に気に入られたい一心だといっても過言ではありません。あまりに必死だったので子供時代の記憶があまりないという人もいます。

いい子は大人になってもいい子です。そんな人が大人になって恋をすると、今度は「恋愛いい子ちゃん症候群」になることがあります。(※私が勝手に命名したものです)
「恋愛いい子ちゃん症候群」になると、つねに彼の顔色をうかがい、彼に気に入るように先読みしながら行動するようになります。
どうすれば彼が気に入るのかは、さほど考えなくてもカンタンにわかります。なにを選べば親が気に入るのかをつねに考えてきたのですから、もはやあたりまえの感覚になっているのです。
そんなふうに気に入られるように先読みして行動できるので、男性をカンタンにいい気分にさせてあげることができます。だから、男性にモテる人も多いのです。
モテるのだから、素敵な独身男性とお付き合いしてもいいはず。なのに、そんないい子ちゃんほど、なぜか不倫の関係に足を踏み入れることがあるのです。
私が出会った彼女も典型的にそんなタイプの人でした。(※ご了承を得て掲載します)

礼儀正しく清楚で美しく聡明で、そんないい子ちゃんの彼女がしていたのは不倫の恋でした。そのイメージからはとてもそのような恋をしている印象はありません。
彼女がお付き合いしていたのは、ひとまわり以上年上の社会的地位のある既婚者です。不倫がいいことでないことぐらいわかっていました。
でも、自分を甘やかしてくれる、自分のいうことを聞いてくれる、自分をお姫様のように扱ってくれることが嬉しくて、そのような関係になったのです。
彼のことはとても好きでしたが、お付き合いをしてしばらくすると、猛烈に悲しくなったり腹が立つようになりました。今まで感じたことのない強くて大きな感情がわいてくるようになったのです。
次第にその感情を彼にぶつけるようになりました。急に泣いたり、突き放したり、すがってみたり。自分でも止めようのない感情です。
不倫ですから、いくらでも彼を責めるネタはあります。「いつもひとりでさみしい」とか「会いたい時に会えない」とか。
でも、「このままだと彼に嫌われてしまうかも…」と思ってカウンセリングにお越しになったのです。
最近の「恋愛いい子ちゃん症候群」に多く見られるのが、「親の前だけいい子」というタイプです。
大人になっても親の前ではいい子をしているのですが、親の目の届かない恋愛で“悪い子ちゃん”をすることで精神のバランスを保っているのです。
悪い子ちゃんをするために不倫というのは、とても都合がいいのです。親の目を盗んですることは鬱積したストレスの発散が目的だからです。
鬱積したストレスの発散なのですから、親にも見せなかった部分の自分が出てきてもおかしくありません。それが彼女にとっては“とても感情的な自分”だったわけです。

あれだけのいい子が、突然にだだっ子になる。
だいぶ遅れてやってきた“大人の反抗期”のようなものです。
いい子は親からすると手のかからない子に感じるかもしれませんが、反抗するということは“自分の意志をもつ”ということなのです。
彼女は「とくに親に反抗したいと思ったことはない」といいましたが、今から思えば、反抗することを諦めていたのかもしれません。
「自分の気持ちを言ってもムダだから言わない」「どうせ言ってもわかってもらえない」という悲しみは彼女がずっともっていたもの。
それを親ではなく彼にぶつけていた。「親にはぶつけない…」というところで、やはりどこかいい子なのです。
そんな彼女に私がカウンセリングのなかで提案したことがあります。
「一日3回、なんでもいいから人に何かを頼んでみてね。」
「え?そんなこと?」と思われるかもしれませんが、彼女にしたらとても勇気がいることです。いざやってみると、彼女にとって「一日3回、人に何かを頼むこと」は意外と難しかったのです。
「こんなことを頼んで笑われないかしら?」
「頼んで断られたらどうしよう?」
「なにかお返しをしなきゃいけないんじゃないかしら?」
いろいろな思いが浮かんできて、最初はこわくて頼めなかったといいます。
なぜ彼女は一日3回の「お願い」も言えなかったのだと思いますか?
「どうせムダだから言わない」「どうせ言ってもわかってもらえない」と思って諦めていたからです。
だから、私はこう伝えたのです。
「人のお願い(親の期待)は今までいっぱい叶えてきたでしょう?だから、今度は自分のお願いを叶えてあげてね。」

「悪い子ちゃんにならなくても自分の希望は叶えていいんだからね。」
そう伝えると、彼女は泣き出しました。
いい子ちゃんを頑張ってしていると、悪い子ちゃんの自分が出せなくなります。
悪い子になるための時間として不倫にハマるというケースは、じつは少なくありません。
だから、この場合は「不倫をやめる前に、まずいい子ちゃんをやめましょうね」というご提案をすることが多いです。
いい子ちゃんをやめるというのは、悪い子になるという意味ではなくて、ダメな自分を普段の生活のなかでも出せるようにしていきましょうということ。
彼女にとってのダメな自分は、“甘えたり頼ったりお願いしたり自分の希望を叶えること”なんです。
その禁止を解くための不倫だったわけですが、普段の生活のなかでそれを出来るようになっていくことが必要なわけです。そうじゃないと不倫もやめられないですからね。
こちらも参考に
>>【不倫】なぜか既婚者を求める本当の理由(3)イイコほど不倫する
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