
こんにちは。
カウンセリングサービスの大野愛子です。
「別れた彼が忘れられない」というご相談は、とてもたくさんいただきます。
「まだ、彼のことが好きだから」という気持ちであることがほとんどですが、じつは、そればかりではないケースがあります。
言いたいことも言わずに我慢した、したいこともせずに犠牲した、などという場合も、なかなか彼を忘れることができません。
別れた後しばらくして、裏切られた気持ちや、許しがたい気持ちがでてきて、ふつふつとした怒りが沸いてくる場合が多いです。
その怒りには、さみしい、かなしい、くやしい、むなしい、という気持ちも同時に絡みついているのが特徴です。
(失恋ばかりではなく、不倫関係でお別れを迎えた場合などにも、同じようなことは起こります。)
きっとお付き合いの始めの頃、彼は彼女のことをとても愛してくれたのでしょう。
ちょっとムリをしてでも、彼女のことだけを見つめてくれていたはずです。
自分でも愛せなかった自分を、
自分以上に愛してくれる人がいる。
それが嬉しくて、一日中彼のことばかりを考えるようになります。
彼のことを考えている間だけは、ひとりぼっちな自分や、自信のない自分を感じないでいることができます。
気分の良い日が続きます。
しばらくすると、寝ても覚めても彼のことばかりを考えるようになります。
私にとって、彼はとても素晴らしい存在。
それにくらべて、私はなんてちっぽけなんだろう。
自分をちっぽけだと思うと、「彼のことを考える時間を長くする、彼のためになにかする時間を多くとる」というような形で自分の価値の不足分を埋め合わせるようになります。
自分はなんのとりえもないと思うと、誰より早く仕事に行き、誰より遅く残業をして、誰よりも休まないという、会社に自分をささげるハードワーカーの生き方にもそれは似ています。
彼のためなら、それぐらいのことはへっちゃらだったのです。
彼に愛してもらえるのならば、それでよかったから。
もともとぽっかりとした、心の穴が開いている人が多いです。
埋めようもなくぽっかりと、「わかってもらえなかった」「愛してもらえなかった」というようなさみしさを抱えて生きてきた人たち。
恋愛の始めの頃は強い恋愛感情がありますから、彼もなんとか彼女のそのさみしさを埋めることができたのでしょう。
しだいに彼の愛情がほしいばかりに、言いたいことも言わず、やりたいこともせず彼のことばかりに目を向けるようになります。
「彼が私だけを見てくれる」ということが、彼女にとっては大きな見返りだったのです。
見返りがあるうちはまだ良いのですが、それがなくなった時、彼を好きだった気持ちは悲しみのあまり「恨みつらみ」に形を変えていくのです。
「こんなに愛したのに・・・」
「こんなに思っていたのに・・・」
そして、彼の存在がなくなっても、彼を思い続ける習慣だけが残ります。
「別れてずいぶん経つのですが、どうしても忘れられなくて」とおっしゃる方に、このようなケースが多いようです。
こんな時の私たちは、「彼を嫌って離れる」という方法を取りがちです。
嫌うというエネルギーでも使わないと、自分の心を彼から引き剥がすことができないからです。
でも、彼を憎むことでは人生が前には進まないのです。
毎日憎しみ続けるということは、あなた自身が毎日毒を飲んで過ごすようなものなのです。いずれは、心が弱ってしまうでしょう。
だからこそ、できるだけ丁寧に、できるだけ優しく、感情を吐き出していきましょう。
ご自分で取り組みたい方は、ノートに自分の気持ちを書き出していくことをお勧めします。
心の中にあるものを、どんどん紙の上に移し出していくようなイメージで。
どんな思いでもよいのです。気分がスッキリとするまで繰り返し書いていきます。
また、つらい気持ちはどうか、友人やカウンセラーに聞いてもらってください。
話すことは放すことともいいますが、感情というものは言葉にすることで、自分の体(心)から解き放たれていくのです。
なかには、「直接本人に文句を言ってやりたい」と思う時もあるでしょう。
しかし、「この苦しみをわかってほしい」「苦しみの責任を取ってほしい」というような欲求がさらに沸いてきて、結果的には長引くことになることが多いようです。
そして、カウンセリング的なアプローチとしては、「彼との関係に限らず、もともと我慢や犠牲をしてきたことが多かったのかも」というところを見ておきたいところですね。
自分が我慢をすることで、誰かの役に立とうしてきた愛情深い人に多いパターンですから。
そのパターンは、職場、友人、家族関係にも出ていて、ちょっと苦しい生き方になっているはずです。
となると、日常生活のなかで、「いかに我慢や犠牲を減らしていくか」という取り組みが必要になりますね。今までならば我慢していたような場面で、どう我慢せずに振る舞っていくのか新しいチャレンジになりそうです。
(意外に思われるかもしれませんが、不倫というのも制限のある恋ですから、これもまた我慢を強られる恋のパターンのひとつである場合があります。)
彼女の場合は恋愛に色濃くパターンがでましたが、「彼女のこれからの人生」というもっと大きな枠でとらえてみると、我慢や犠牲を解消していくことはこれから先の彼女を変えていくうえでとても大切なスキルになります。
そして、もうひとつ大事なアプローチとしては、「それほど誰かを大切に思い、愛せた自分」を承認すること。
こんな時にカウンセラーは「そんなふうに誰かを愛せたあなたが素晴らしい」という見方をするのですが、多くの方は、「結局ふられたのだから、そんなもん何にもならない!」と言うでしょう。
ですが、「誰かを愛した自分」を否定すると、次に誰かを好きになったときに、「こんな私が好きになっても」と無価値感が強まっていくので、自分が役に立てそうな「少々問題ありな男性」を選ぶようになります。
どうかどうか、「それでも頑張ったよね、私!」というところには、価値をみてあげてほしいと願います。
恋愛においてなにか問題が起こったとき、付き合う相手を変えること(別れる)もひとつの方法ですが、自分のなかのパターンを変えることで次の恋愛がうまくいくことが多いようですよ。![]()
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