本








ある有名な寓話があります。

寒い夜に、二匹のヤマアラシがお互いを温めあおうと身を寄せ合いました。

しかし、身を寄せ過ぎたためにお互いのトゲで傷つけあってしまいました。

そのため、今度は離れてみたところ、寒くて凍えてしまうのです。

*  * *

ドイツの哲学者ショーペンハウエルの寓話から生まれた、「ヤマアラシのジレンマ」と呼ばれるお話。

身も心も寄せ合う恋人同士ですが、その距離感を間違えてしまうと、お互いに傷つけ合ったり、さみしい思いをさせてしまうというたとえです。

親密になればなるほど、ケンカが増えしまう。つい、ヒドい言葉をあびせかけてしまうとか。
または、なかなか距離を縮められない。つい、言いたいことがあってものみ込んでしまうとか。

恋愛のご相談を聞いているときに、私はこのお話を思い出すことがあります。
距離感に悩む時には、とても役に立つお話です。

■近すぎる時には、なんとなく嫌味というか、攻撃的な物言いが多くなります。

女性ならこんな感じ。
「あなたにとっては私より仕事よね。あなたはきっと仕事と結婚したのよね?」

男性ならこんな感じ。
「お前は、ホントにバカだなー。」「俺がいなきゃ何にもできないのかよ?」

女性は愛してほしい時に、「遠まわしな嫌味」を言います。
男性は親しみをこめて、「そんな悪口」を言います。

わかってほしい気持ちがあるのですが、素直に伝えることができません。
だからこそ、相手の気分を害するような言葉で言ってしまうのです。

■遠すぎる時には、あまりケンカもしませんが、すれ違いが多くなります。

「これぐらいは言わなくてもわかるだろう」という甘え。
もしくは、「今さら言ったところで、どうせわたしのことなんてどうでもいいんだわ」という諦め。

距離がある分だけ、お互い腹も立てずにやっていけますが、さみしさから不満を抱えることもあるのです。
でもこれも、いつ爆発するかわからない不発弾のようなもの。

わかってほしい気持ちがあるのですが、こちらも素直に伝えることができません。
だからこそ、さみしさや虚しさを抱えることが多くなります。

魔女の薬棚








■そして、このお話は続きます。

どうやっても近寄ることの出来ない二匹のヤマアラシ。
二匹はお互いのトゲが刺さらない距離を保ちながら、一緒に泣きました。

泣いているうちに、気がつきました。

近すぎるとお互いのトゲで相手を傷つけてしまうけれど、傷つけあわないギリギリの距離を保てば、ぬくもりを感じられるということに。

*  * *

近づけば離れ、離れれば近づく。この攻防戦が、恋愛では繰り返されます。
だからこそ、彼に、彼女に、どう関わったらいいんだろうと悩むことがたくさんあるでしょう。

女性は相手のトゲがどんなに刺さってもいいから、自ら距離を縮めようとするようなところがあります。

男性は自分のトゲが女性を傷つけるぐらいなら、自ら距離をとって離れてしまうようなところがあります。

ぶつかって傷ついて、それでも寄りそって。
程よい距離感というのは、試行錯誤しながら見つけていくものかのかもしれません。

でも、基本は思いやりと優しさ。
つまりは愛情だと、私達はどこかでちゃんと知っています。

この物語から、あなたはなにを感じましたか?


LOVE
2015-4-9
アメバブログ恋愛テクニック掲載分



ヤマアラシジレンマの「対人関係編」はこちらにも書いています。
■ひとつの物語から。(人間関係の距離感と葛藤について)