とあるA子さんのお話を、ご本人の了承を得て書かせて頂きます。
A子さんにとっては過去のお話なのですが、こんなことがあったそうです。
A子さんが30歳の頃、故郷の同級生の結婚式に出席をしました。
そこで遭遇したのは、なんと昔にお付き合いしていた元彼・・。
小さな田舎町では、そういう予期せぬ出来事があるのだそうです。
ふたりがお付き合いしていたのは10年も前のことで、その後の彼が結婚したことは風の噂で聞いていました。
その当時のA子さんは独身で、お付き合いしている人がいましたが、別れたばかり。
そもそもは、彼の浮気が原因で別れたふたりです。
別れた直後は悲しい思いをしたA子さんでしたが、彼を見てもただ「懐かしいな」という感覚だったそうです。
その後、電話番号を変えていなかったA子さんに、彼は電話をかけてくるようになりました。
「離婚するつもりなんだ」
「結婚生活は何年も前から上手くいっていない」
「お前と一緒になれば良かった」
彼の口から出るのは、そんな言葉です。
事実、離婚調停中だったようで、彼の人生が苦悩に満ちているのはA子さんにも見てとれました。
「お前と一緒になれば良かった」
A子さんは、この言葉を複雑な気持ちで聞いていたそうです。
「いまさら?」
「自分が浮気したくせに、すべて忘れているような言葉だわ。」
正直、そう思ったそうです。
10年以上も時が経ち、もう思い出さなくなった頃なのに。
彼がどんな顔だったかも、おぼろげな記憶になった頃なのに。
あの頃とはずいぶん変わり、すがるような声と言葉で話す彼。
「あの頃はわたしの方がずっと彼を好きで、別れたくなくてすがっていたのにね・・」と、A子さんはぽつりと言いました。
彼と別れた後には、いくつかの恋愛と別れを経験しそれなりに仕事のキャリアも積んできた。彼には彼の人生がありましたが、A子さんにはA子さんの人生がありました。
心が揺れなかったかと言えば嘘になるけれどね・・と前置きをして、A子さんが話してくれた気持ちは、「彼はあの頃とちっとも変ってないんだなと思ったんだよね。」という言葉。
彼の恋愛には複数の女性の陰があったし、何度かの結婚と離婚を繰り返していたようなのです。
※ ※ ※
プレイボーイの心理というものがあります。
複数の女性との浮気を繰り返す男性のことですが、「実は、見捨てられることを恐れている」という心境が隠されている場合があるのです。
「見捨てられることを恐れている??それは男性側ではなく女性側のお話でしょ?」と思われますよね?
だって、プレイボーイの彼に女性の陰を感じて怯えるのは、いつも女性の方なんですから。
でもこれ、男性側にもある心理なんです。
こう考えてみると分かりやすいかもしれません。
「浮気を繰り返すような俺だから、いつか見捨てられるに違いない」という理屈。
浮気をしておいて、浮気を繰り返すから、いつか見捨てられる??
そんな理屈はあるのかと思いますよね。その通りなんです、矛盾しているんです。
このタイプの男性は、幼少期の家庭環境、大きな失恋経験、何らかの事情からの女性不信など、「自分は愛されない」という心の傷をもっているケースが多いのです。
男性本人は、そんなことは気がついていないかもしれません。
女性遍歴を重ねられるだけのなんらかの「男としての魅力」をもっているタイプも多いですから。
(ぐいぐい引っ張る俺様タイプだったり、口説き上手だったり。もしくは、陰がありミステリアスであるとか。)
いくら自分を愛してくれる存在を得ても、もっと愛情が欲しくなるのです。
そうすると、複数の女性を手に入れるようなことが起こります。
このタイプの男性に惹かれ寄り添う女性は、愛情深い方がとても多いのです。
その男性に心の傷があることすら、「なんとなくわかってしまう」という方もたくさんいます。
A子さん自身もそんな愛情深い女性でしたし、お付き合いしてきた男性もそんなタイプが多かったようです。
※ ※ ※
さてA子さんですが、その後どうしたと思いますか?
心が揺れて数ヶ月は迷ったそうですが、「もう電話してこないで。あなたとは付き合えないから。」と彼には告げたそうです。それ以降、彼からの連絡はないそうです。
A子さんは少々複雑な家庭環境で育ち、彼女自身いつも「自分の居場所のなさ」を感じていたようです。
「求められると弱いんだよね、わたしもさみしいから」と。
こうも言っていました。
「わたしが本当に欲しいのは、安心できる平穏な生活。自分が居場所になることも出来るけれども、わたしはわたしの居場所が欲しい。」
「彼とだと、男は船・女は港みたいで。わたしが願う幸せとは違うと思ったから。」
心が揺れたし、ひとりでさみしかったし、目の前にあるものにしがみつきたくもなったけれども。それでも、どうにか踏ん張れたこと(自分の意志を尊重出来たこと)は、A子さんの小さな自信になったようです。
「こういう自信のつけ方ってあるのね。やっと自分を大切に出来たような気もするんですよね・・」と、A子さんは笑って話してくれました。
A子さんの昔の恋のお話でした。
ちなみに、現在のA子さんは結婚をして幸せに暮らしています。
ますますの幸せを願っております☆

